米国に見る格差拡大の要因

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 米国は現在、日本とは比べものにならないほどに格差が深刻化しています。中流層の多くが下流層へと陥ることで、一部の富裕層と多数の貧困層といった格差社会を形成しているのです。


 米国の格差拡大が、これほどまでに拡大した要因はすでに明確になっています。また、この流れは現在の日本にもそのまま当てはまるものとなっています。つまりこのまま日本が米国と同様のモデルに組み込まれた場合、日本はほぼ確実に米国と同様、さらなる格差拡大が進むことでしょう。そこでここでは、米国において格差が拡大した流れを知ることにしましょう。それは恐ろしいほどに日本の現状に一致することに驚かれるはずです。


■米国の格差拡大の原因とプロセス

 米国の格差が拡大を始めるのは今から40年近く前の1980年代のころです。当時は米ソ冷戦の流れを受け、米国では軍事費を増強する必要に迫られていました。政府の財源健全化には増税が直接的に有効となります。そこで米国政府は増税に踏み切ることになりますが、所得税やガソリン税など国民の負担を大きくする一方で、法人税などの税金を減税する措置に出ます。


 これには国民が反発しますが、その際に用いられたプロパガンダが「トリクルダウン」です。つまり上位を潤わせれば、それは徐々に下層をも潤わせることになるという論理です。しかしこれが実際にはそうならないことは、現在の日本の状況をもても明らかであり、結果的にこの段階から企業が大きな資金を持つ一方で、国民の生活は次第に圧迫されることになります。


 企業の利益率が向上すると、株価が上昇を始めます。また、米国ではデリバティブによる投資手法が急速に広がることになり、金融バブルが起きることになります。このため企業や投資家には多大な利益を得ることになります。


 資本家はこの膨大な資金の一部を用いて政治家をコントロールするようになります。米国の大統領戦には多大な資金が必要となりますが、資本家はロビー活動を通して政治家に対して多大な資金を投資します。そしてこの見返りとして企業に利益をもたらす法案を可決させていくのです。


 法を味方につけた企業の利益はさらに大きなものとなります。しかしそれは国民の生活を豊かにするものではなく、結果として一部の超富裕層、スーパーリッチの存在を生み出す一方で、貧困層を拡大させることになるのです。


■オバマケアによる中間層の没落

 現在の米国では、これまで中間層に位置づけられていた国民の多くが貧困層へと陥る自体が発生しています。そしてこれには、オバマケアと呼ばれる政策を挙げることができます。オバマケアとは、オバマ政権によって施行された皆保険制度です。


 皆保険制度は日本においては一般的なものとなっていますが、それまでの米国には皆保険制度は存在せず、よって無保険の人々が多く存在していたのです。このことを考えればオバマケアは国民にとって有効な制度のように思えます。ところがオバマケアには大きな落とし穴があります。それは強制加入として義務づけられた保険は、政府主導の保険制度ではなく民間の健康保険であったという点です。


 民間企業による保険なので、保険料は非常に高額となります。ちなみに日本と同等のサポートを受けるための保険料は月20万円を超えるのです。当然のこと貧困層は保険にはいることはできませんが、オバマケアでは保険加入が義務化されているので、保険に入れない場合、毎年罰金が課せられることになります。つまり、民間保険への強制加入が義務づけられた制度がオバマケアであり、ちなみにこの法を進めた諮問機関には、保険会社の役員が多く含まれていたといいます。


 大統領選において多くの資金をあつめたオバマですが、その多くは国民よりもむしろ大資本家によって占められていました。つまり、オバマケアは民間企業によってコントロールされ施行された政策であったわけであり、保険業界には膨大な利益を得ることになった一方で、中間層にいた国民の多くには、多大な負担が発生する結果となったのです。


■日本にも忍び寄る大資本の戦略

 一部の巨大な資本を持つ資本家によって政治自体がコントロールされる流れは、徐々に国民の生活を苦しいものとするものです。これまでは一民間企業が政府を動かすことは不可能であったわけですが、グローバル化の流れにより全世界規模で収益をあげることができるようになった企業では国単位での取引を可能とするとともに、多大な資金を投じることで、ターゲットとする国自体をコントロールすることも可能となります。


 政治家に対しての支援を行うとともに、諮問機関や諮問会議に人員や資金を送ることにより、資本家が利益を上げやすい法律を通すことができるからです。


 日本において格差が拡大を始めるきっかけとなったのは派遣法の緩和であったわけですが、これを進める諮問会議のトップが派遣会社のトップであるのは現在では知れた事実です。実に単純なシナリオでありながら、これを阻止することは難しいといえます。


 また、昨今では水道事業の民営家策や種子法の撤廃など、外部資本が日本市場への参入を許す法律が進みつつあります。これらは、日本国民によってリスクが増大する以上の何者でもありませんが、それを日本の政治家が押し進めるといった違和感を感じられている方も少なくないはずです。


 今後も日本には多くの資本が投じられ、その多くが外資の利益として搾取され、国民の生活はさらに困窮するものとなるリスクがあるわけです。よって、私たちは、自らがあらかじめこれらのリスクを回避するための準備をいち早く始めておく必要があるわけです。




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